「雪虫」が舞うと、 初雪の季節を感じるのが北海道の習わし



雪虫が舞うと十日後位には

初雪となります。

これは気象の常識

 

 

 

晩秋、街中や郊外でふと目にする空を舞う白い虫、それが「雪虫」である。「雪虫が飛んでいる、そろそろ雪が降るかな?」と誰もが思い浮かべるだろう。秋の穏やかな陽気に包まれ、冬の気配など感じていない時に、雪虫は「もうすぐ冬が来ますよ」と知らせてくれるように見える。まるで「冬の準備はできていますか?」とせわしなく飛び回っているかのようだ。

 

この雪虫の正体は、羽の生えたアブラムシの一種であり、例年10月中旬から下旬にかけて6~7種類が飛び交う。その中でも最も代表的な種類が「トドノネオオワタムシ」で、最大でも4ミリ程度の小さな虫である。おしりについているふさふさとした白いものは、実は綿ではなくロウのような物質で、これが空中をふわふわと漂いやすくする役割を果たしている。

 

トドノネオオワタムシが寒い時期に飛ぶ理由は、ヤチダモという木を探しているからである。ヤチダモの匂いを頼りに群れで飛び回り、この時期に最も多く目にすることができる。飛んでいる雪虫はすべてメスで、ヤチダモの木に到達すると有性成虫を産む。

 

雪虫の姿を見て、スキーやスノーボードを楽しみにする人もいれば、冬の到来を覚悟する人もいるだろう。いずれにせよ、雪虫は冬を告げる使者として、北海道で暮らすことの喜びや切なさを運んでくるのである。










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