「焼きそばは座って食べるもの」という固定観念を覆した商品が、美唄市で販売されている。この焼きそばは、袋詰めで売られており、蒸し麺に薄味のソースがあらかじめ絡められているのが特徴だ。
具材として入っているのは、シンプルに大きめに切られた紅ショウガだけで、その素朴さと懐かしい味わいが人気を集めている。
この独特な形状の焼きそばが生まれた背景には、美唄市がかつて炭鉱の町として栄えていた時代がある。炭鉱労働者が汚れた手でも食べられるように工夫された結果、袋詰めの焼きそばが生まれたのだ。
そして、昭和40年代には子どものおやつとしても親しまれ、多くの家庭で愛される存在だった。
近年、この焼きそばはテレビ番組で取り上げられたことで再び注目を浴び、美唄の懐かしいソウルフードとして道内外から人気を集めている。
本州の人々にとっても、どこか郷愁を誘う味として評価されているのだ。